スポーツ心理

ないがしろにされがちなメンタルトレーニングについて

スポーツ心理学から考える「メンタルが強い」とは何か

スポーツの世界では、昔から「メンタルが弱い」「気持ちで負けた」という表現が使われてきたのですが、スポーツ心理学の観点から見ると、メンタルの強さとは精神論や根性論ではなく、プレッシャーや不安が存在する状況でも、パフォーマンスを安定して発揮できる心理的スキルの集合体といえます。

つまり、緊張しないことが強さなのではなく、緊張していても、やるべき行動に集中できることこそが「メンタルが強い状態」なのです。

メンタルトレーニン

セルフトークを制する者がパフォーマンスを制する

人は競技中、常に自分自身と対話しており、この内的対話をセルフトークと呼び、メンタルが不安定なとき、セルフトークは結果志向や自己否定に傾きやすく「失敗したらどうしよう」「またミスするかもしれない」という言葉は注意を未来や評価に向け、身体操作の精度を下げます。

その一方で、メンタルが強い選手はセルフトークを行動レベルの指示変換し、「呼吸を整える」「次の一本に集中する」など内面へと集中します。

重要なのは前向きかどうかではなく、機能的かどうかでなのです。

目標設定は結果よりプロセスを見る

勝利や記録といった結果目標はモチベーションにはなるのですが、試合中の集中には不向きで、なぜなら「結果」は自分で直接コントロールできないからであり、スポーツ心理学では、

  • 結果目標
  • パフォーマンス目標
  • プロセス目標

のうち、特にプロセス目標がメンタル安定に寄与するとされ、呼吸、フォーム、判断基準など「今この瞬間に実行できること」に意識を向けることで、不安は自然と低減していきます。

ルーティンは不安を鎮める装置

一流選手ほど、試合前や動作前のルーティンを持っており、このルーティンの本質は、験担ぎではなく、注意を現在に引き戻すための心理的スイッチであり、同じ動作、同じ呼吸、同じ手順を繰り返すことで、脳は「いつも通り」を認識し、不確実性による不安を下げてくれます。

つまりメンタルが強いのではなく、強い状態に入りやすい仕組みを持っていると言えるでしょう。

イメージトレーニングは失敗への耐性を作るため

イメージトレーニングというと、成功場面だけを思い浮かべるものと思われがちですが、じつはそれは半分に過ぎず、重要なのは、ミスをした後にどう立て直すかまでをイメージすること。

脳は鮮明なイメージを現実体験に近いものとして処理するので、あらかじめ「崩れた後の修正」を経験しておくことで、実際の試合での動揺を大きく減らすことができます。

緊張しすぎて動けない選手もいれば、集中が足りずパフォーマンスが上がらない選手もいるのですが、これは覚醒水準の問題で、重要なのは、自分にとっての最適覚醒ゾーンを知り、そこに近づける方法を持つことであり、呼吸法、身体刺激、セルフトークなどを使い分けることで、メンタルは「管理可能な変数」になります。

失敗をどう意味づけるかで強さは決まる

メンタルが強い選手は、失敗を人格評価に結びつけず、失敗は「自分がダメだ」という証拠ではなく「調整すべき情報」として扱われ、この認知的再評価の習慣が、立ち直る力を育てます。

「メンタルの強さは才能ではなくスキルである」

スポーツ心理学が示している結論は明確であり、メンタルの強さは先天的な性格ではなく、後天的に鍛えられるスキルです。

感情をなくすことはできませんし、その感情があっても適切に行動することはできる、そのための技術を知り、練習することこそが、真のメンタルトレーニングといえます。

メンタル強めになる習慣

メンタルは、気の持ちようだけでは強くならない。

大切なのは、「視点」と「行動」をどう変えるかであり、誰でも、いつからでも実践できるメンタル強化の習慣を、心理士がやさしく解説。

メンタル強めになる習慣

メンタルが強い人は必ず「行動」しており、そこには明確な意味と再現性があります。

心理士として29年間、現場経験と理論の両面から得た確信を、公認心理師臨床心理士の 松島雅美さんが、エビデンスとともに一冊にまとめており、しなやかで豊かなメンタルを求めるすべての人に届けたい本。

「根性」や「ポジティブ思考」だけに頼らず、ものの見方や日々の選択の仕方を少し変えることで、自然にメンタルは強くなり、当書籍では、支援現場で積み重ねてきた経験と科学的根拠に基づいたシンプルで実践しやすい方法が紹介されています。

ストレスや不安が強いときには、前向きに考えようとしてもうまくいかず、かえって自分を追い詰めてしまうことがあり、これは心理学や脳科学の先行研究からも明らかであり、本書では、オリンピアンなどのアスリートや都内私立高校の必修科目としても導入されている「メンタルビジョントレーニング(R)」を、視覚機能に着目した、誰でもすぐに実践できるトレーニング法として紹介しています。

こんな方におすすめ

  • 強くあらねばと、つい頑張りすぎてしまう方
  • ポジティブに考えなきゃと思いすぎて、少し疲れている方
  • 自分に合ったメンタルの整え方を見つけたい方
  • 子どもや部下など“誰かの心を支える立場”にいる方
  • 行動から整える、実践的なメンタルアプローチに興味がある方

一流アスリートが受けるメンタルトレーニング研修プログラムを、企業向けに

アースみらい総研が、2025年4月1日から、一流アスリートが受けている「メンタルトレーニング研修プログラム」を、企業の経営者や従業員向けにもサービス開始するのだそうです。

メンタルトレーニング研修プログラム

アースみらい総研が提供する「メンタルトレーニング研修プログラム」は、アース産業医事務所、株式会社リコレクト、及びTAKE IT EASY株式会社との三者連携により進められており、アース産業医事務所は、アースみらい総研が運営する産業医事務所で、健康のプロである産業医保健師によって企業の掛かりつけ医的な役割を担っていて、従業員メンタル面談等も行っています。

株式会社リコレクトは、トップアスリートや上場企業をはじめ、12,000人以上が学ぶ「OKラインメンタルトレーニング」を提供しているメンタルトレーニング会社で、「OKライン」というのは、スポーツ、企業、教育の現場で10年以上応⽤していく中で作られた独自のメンタルトレーニング理論。

TAKE IT EASYは、元K-1ファイター・史上初異種格闘技三冠王鈴木悟氏が率いるジムで、主にパーソナルトレーニングやメンタルトレーニングを提供しており、この3者の業務連携により、より多くの人に、専門的かつ効果的なメンタルトレーニングを提供。

メンタルを育くむもとで、ビジネスだけでなく、あらゆるシーンにおいて活かして欲しいとのこと。

企業研修コース

  • 対象:企業で働く全ての皆様
  • 身につく知識:意識改革のきっかけ、課題解決のヒント
  • 内容:ヒヤリングにより提案

料金:

  • 90分:25万円+税(20名様迄)、30万円+税(21名~49名)
  • 120分;30万円+税(20名様迄)、35万円+税(21名~49名)

資格取得コース

  • 対象:主に人事担当者様、マネジメント層
  • 身につく知識技術:感情の扱い方、自己肯定感の作り方、目標達成方法、セルフマネジメント、モチベーションの保ち方、コミュニケーション方法
  • 内容:全10講座(全8時間)※受講例:1日4時間×2日
  • 料金:13万円+税/1人