スポーツ心理

ないがしろにされがちなメンタルトレーニングについて

オーバートレーニング症候群

長期にわたるトレーニングの結果、慢性疲労や運動機能の低下などの身体症状、あるいは集中力の低下や不眠、抑うつ気分などの精神症状が表れたら、オーバートレーニング症候群の可能性があるのだそうです。

オーバーワーク
これは多くのトップアスリートが、時には引退を考えるほどの症状を引き起こすこともあるというもので、まだ研究の段階なので、その定義は一定したものではないのですが、おおむね長期間にわたってトレーニングによる疲労と回復のバランスが崩れた状態が続き、疲労が蓄積した結果、パフォーマンスに影響が出たり、場合によっては日常生活にも支障を来したりした場合に診断される病名となっています。

代表的なのは、疲れやすさや、疲れが抜けないという症状で、その他にも、食欲低下、不眠、動悸、下痢、うつ状態など、人によってさまざまな症状を引き起こします。

疲労症状が高まるにつれて起床時の心拍数が増加するといわれ、オーバートレーニング症候群を早期発見する目安となっていて、起床時の心拍数が1分間に10拍以上増加している場合はオーバー症候群の疑いがあります。

他にも心理的プロフィールテスト(POMS)・心理的競技能力診断検査(DIPCA3)・体協競技意欲検査(TSMI)のような心理テストもチェック方法として有効と考えられています。

オーバートレーニング症候群の治療は、トレーニングを控えて身体をゆっくりと休め、バランスの良い食事を摂ることで、ビタミンB群やビタミンCを摂るとよいといわれて おり、症状が重くなると回復にかかる時間も長くなるため、早期発見・早期治療が重要となってきます。

急激な負荷のトレーニングや休息・栄養・睡眠が不十分であること、過密なスケジュール、過度の精神的なストレスなどが要因となってオーバートレーニング症候群を引き起こすことから、体調の悪い時はトレーニングメニューの変更や負荷を軽くする、トレーニング時間を短くする、トレーニングを中止するなどして対応し、栄養をしっかり摂って休養することが大切です。

普段から頑張り過ぎず、無理せずに適度な休憩と栄養補給を心がけ、運動と休養と栄養のバランスを保ってトレーニングを行うことが重要です。ストレスを溜めすぎないように適宜、発散することも大切です。