スポーツ心理

ないがしろにされがちなメンタルトレーニングについて

オーバートレーニング症候群

スポーツ活動などによって生じた生理的な疲労や精神的な疲労が十分に回復しないまま積み重なって、その結果、慢性的な疲労状態となることを「オーバートレーニング症候群」といいます。

この症状は、重症となってしまうと、復帰までにかなり長い時間を要することになりますので、トレーニング量に見合った休養と栄養を取ることが大切で、早期発見・早期対処た重要となります。

この症状は、大きく2つに分けられ、慢性的な疲労や動悸、息切れ、胸の痛み、食欲低下、手足のしびれ、微熱、体重の減少などの身体的な症状と、不眠や不安、うつ、焦り、集中力低下などの精神的な症状が現れます。

最近の研究によれば、オーバートレーニング症候」の精神的な症状が「うつ病」の症状とほぼ一致していることが注目されてきています。

一般的に、この症状の原因は、肉体的・精神的に過剰なストレスが長期間にわたって継続し、視床下部。下垂体系機能不全をきたし、脳下垂体から分泌されるホルモンの一部にアンバランスが生じてきます。

安静時の心拍数が増加してきたり、安静時の血圧が上昇、運動後の安静血圧への回復が遅れたりしますし、競技力の低下、最大パワーの減少があれば、オーバートレーニング症候群と診断されることになります。

この診断においては、心理テストの「POMS検査」が有用だと言われていて、このPOMSは精神疾患における薬物療法の効果判定のために開発されたもので、気分に関する65の質問に5段階で回答し、気分の状態を表す6つの因子で評価するものとなっています。

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特徴

緊張・抑うつ・怒り・活気・疲労・混乱の6つの因子が同時に測定できる。 性格傾向を評価するのではなく、その人のおかれた条件の下で変化する一時的な気分・感情を測定するテストとなっていて、過去1週間の「気分の状態」についての65の質問項目に答える質問紙法の検査(約15分)。

採点は、その場で迅速・容易に行え、各因子ごとの合計点で判定、実施人数が多い場合は、コンピューター採点可能。